慰安旅行

先日は会社の慰安旅行に和歌山県の那智勝浦へ。

基本的に気の合う人間同士で積立てて行くといった有志会のようなもの。
年1回の旅行とバーベキュー、半年に1回の食事会といった形。

私の方は休職中の身であるものの参加
というのも、有志会の幹事をしている人は、もう定年退職後の延長雇用者で私が入社時の専属教官。

勤め人でありながら自分である程度の規模の会社も持っており、現状は奥さんが切り盛りしてはる。
来年ぐらいから規模を拡大するための準備を現在していて、以降は自社に専念するとか。

その時に、今の給料の倍以上の額で、私に手伝ってほしいと。
「腕が完治してないのに、今の会社に気ぃ遣って無理して出てくるこたぁない。
それでごちゃごちゃ言う奴おったら辞めて、すぐうちに来たらいい」
と言ってはる。

社内の誰にも話してはいないが、こういう事情があるため今は腕の完治が最優先。

さて旅行。
参加メンバーの中で、社内的な肩書きでは私が一番上になるものの、一番年下。
私がヒラの新人時代には世話になった定年退職後の延長雇用者の割合も高いため、ふんぞり返ったりもしない。

怪我で休職中という事もあって、半年以上ぶりに会う人も多いが、休職前に比べて16kgほど痩せたため、皆「おまえ病気ちゃうか?」と.......

出発。

年寄りが多いため、毎回貸切りバス旅行で、幹事と親交のある、その旅行会社の社長が添乗員。
知識も豊富で話も上手く、案内聞いてるだけでも面白い。

バスは観光バスの2/3ぐらいの大きさのもので、後ろ半分のシートをコの字にして真ん中にテーブル置いて飲み食いといった感じながら、私は骨折以降、全く酒を飲まなくなり、コーヒーと水があれば過ごせる経済的な生き物へと進化を遂げた。

私の隣には、私が入社直後の新人添乗指導をした人が座っていたが、この人、歳は私より5つ上。
仮に名前をMとする。
「いや~ん、もう僕、久しぶりにunknownさんに会えると思って来たんですよぉ」

.............
オネエ言葉とまではいかないが、クネクネした素振りに、私のオスとしての本能が警笛を鳴らす......
奥さんがいると言っていたが、私は「世間の目を欺くための手の込んだダミーの奥さん」と思っている。

出発して30分。

「何かニオイません?」
と対面に座っていた私より一つ歳上の人が。
名前はK。

言われてみればとバスの前半分の席の方を見ると、オッサンが気まずそうにビニール袋を持っている。

ションベン我慢できなかったらしい...........

普段は「ガッハッハ!」的に態度も声もデカいオッサンが暫くは静かに.......
酒飲むのはいいけど尿意と相談しながら飲めよと。

まず梅工場へ。
私は小学生の頃、初めて梅干しを食べた時、あまりの酸っぱさに嘔吐。
以来、30年ほど食べた事もなければニオイもダメ。

ただ、チビが梅干し大好物(というか「もずく」や「納豆」といった私が嫌いな食べ物ばかり好む...)という事もあって、梅のポン酢とドレッシングを買い、お土産完了。

そして昼メシ。
行程表に沿って予約していた店だったものの、参加キャンセル者が数人出た事もあり、そこだけは自費となっていた。
「とれとれ市場」の向かいにある海鮮ビュッフェの店だったが、料金1260円。

「高い」と言って別の店に行ったのが3人.......

価値観が違うのであろうが、私としては旅行に来てメシ食べるなら、値段なんかどうでもいいと思ってしまう。
まして、幹事や旅行会社の社長が企画したものに乗っかって行くだけなら、決まってたものにあーだこーだと文句言うなよと。

これはこれで値段以上に美味しく満足し、食べ終えて外でたばこ吸ってると幹事が......
案の定「あいつら1260円が高いんやと」
.............これまた暫く愚痴を聞かされる。

更にバスは行く。

その車内、一つ歳上のKのシャツのボタンがはち切れそうになっていたため
「Kさん、それサイズ合ってます?」と訊く。

すると「これ、うちの女がピッタリしたのを着ろって言うんスわ」

うちの女...........

このKさん、今年8月末に結婚「するはず」だった。
7月にこの旅行メンバーでお祝いの食事会をした際、休職中だった私も参加した。

このKさん、文句言いで好き嫌いが極端に激しく、少しでも理不尽な事を言われると先輩でも上司でもガンガン噛み付くタイプ、私と同列の人間からも疎まれているところがあるが
「unknownさんの言う事はちゃんと守ります」と、何故かなついてくれる。

そんな事もあるため、個人的にお祝い包んで渡そうと思っていた。

が、たまたま幹事から別件で電話があり
「それはそうとKなぁ、破談になりよって、キャンセルの手配が大変やってん」と.........

聞けば結婚式まで1ヵ月切った時期に、両家で食事会をしたらしいが、その席で彼女から突然
「もう別れてほしい。メールも電話も一切やめて連絡しないでほしい」

Kとその両親は唖然........
K本人も全く予兆は感じてなかったとか...........

式や新婚旅行を幹事のツテで手配していたため、1ヵ月切った状態でキャンセルは大変だったと。

このKさん。
見た目は髪の毛ふさふさのハート様みたいな感じで、彼女は画像でしか見た事ないが10歳下のフツーのコ。
そのコ逃したら次を見つけるのは困難すぎるのが誰の目にも明らかなため、それから1ヵ月以上経った旅行の時も現実逃避してるような状態。

本人は自分の実家の問題が原因のように話していたが.......
突然の別れ話.......
その翌日には二人で住んでたアパートから出ていってしまった.........
その後、一切の連絡が取れない...........
状況見るに「他に男できてたんだろう」とは思えど、追撃の言葉は呑み込んだ.......

すると「そうですか.....」ぐらいしか言えない私の隣から
「女なんかすぐ見つかりますって!ねぇunknownさん!」とMさん.......
年齢はKの方が下になるが歴は長いため
「そんなすぐ見つかるなら探せ!」と、喧嘩を始める...........

そうこうしてるうちに、本州最南端の潮岬へ。
DSC_0011.jpg


曇天というか雨。

売店も閉鎖され、太平洋を臨む断崖の上にある胸像が、天候も相まって何ともいいがたい雰囲気。
夜間、予備知識無しで見るとチビるかもしれない。
DSC_0012.jpg


その後、名前忘れたけどこういうのも見たり。
DSC_0016.jpg


そんなこんなで船着き場に到着。
「ここなんなんですか?次はホテルちゃいました?」
と、どんな所に泊まるかまで知らなかった私。

小さな島半分がホテルになってるらしく、船でしか渡れないとか。
ジョーズの映画だと、船ごとかじられそうなポンポン漁船みたいな船に乗り島へ。
私以外は日頃の行いが悪いのか、雨の降る海は気味が悪い。

が、ホテルはエントランスが船着き場になっていて、そこにスタッフがお出迎えしてくれるパターンは初めてで、可愛いスタッフもいてなかなかよかった。

しかしここ、よく考えるとここは完全に孤島。
歓楽街に出掛けるにも船の時間がある。
コナンと蘭ねえちゃん、もしくは金田一がいれば、確実に事件が起きるであろうロケーション........

幹事から部屋割りを伝えられる。
「歳の近い者同士」という事で、Kさん、Mさん、もう一人43歳のSさんと私。
宴会の時間だけ確認して暫く自由行動。

「釣り放題1000円」の誘惑に負け、竿と餌をレンタルし4人で釣り場へ。
フグ以外の釣った魚は捌いてくれるらしく、私の頭の中にはフロントの可愛いネエちゃんの女体盛りしか浮かばなかったが、釣れるのは小さなフグばかり。

Kさんは普段の態度のデカさとは裏腹に「フグは毒あるでしょ」と言うと、触るのも拒否りはる。
(フグは触っても大丈夫だろうが)と.......
そんなこんなで収穫ゼロ.........

露天風呂へ。
ホモっぽいMさんと一緒はコワいのでそそくさと入るが、腕に彫りものがあるため参加メンバーはいいとして、他の客から苦情出たりするとイヤなのでタオルで隠したりするのが面倒くさい。

そして宴会へ。
料理はここぞとばかりに豪華なものの、また隣にMさんが座ってる。

就寝。
横並びで4枚布団が並べられていたため、私は端に。
けれどその隣にMさん。
「チ〇コ舐めたりせんといて下さいよ」と、一応真顔で言っておく。

と、他の部屋の50代ぐらいの人間が何人か来て、飲み会を。
60代は早寝早起きなためさっさと寝たらしい。
私は飲まないが、皆、結構な酔い模様。
組合での立場は私より上位にあたる人など「何で俺が初期型ステップワゴンでunknownさんが新型クラウンやねん!」等々、普段の鬱積なのか、飲まない人間からするれば、酔ってホンネを晒す人を観察するのはタメになる。

Kさんはフラれた彼女に未練タラタラ.........
「本社の女の子と飲み会しましょうよ!」と、代替えで強引に断ち切りたい様子.......
「近くで済ませたらロクなことないですよ」とだけ答える。
「彼女の写真見せて下さいよぉ!」と言うので、あられもないフォルダではなく、女が自分で加工して送ってきたノーマルな画像を見せると
「メチャ綺麗ですやん!いっつもunknownさんはフツーに喋ってるけど、周りがドン引きしてるプレイをこの人が........」
と、感慨深げ.........

そうこうしつつも酔っ払いの相手にも飽きて就寝。
もう一度Mさんに「このラインから入ったらダメですよ!」と布団の境界を確認しておく。

暫く。
元々ハート様体型に加えて、しこたま飲んだKのイビキがうるさい上に、無呼吸症候群っぽく呼吸が止まり「死んだんじゃねぇ?」と。
気になって眠れない.........

するともう一人いたSさんもうるさくて眠れないようで、たばこ吸ってる。
このSさん、私と同列の職位に上がる試験を控えており、筆記試験の内容、役員面接、研修、資格試験の講習と試験、それを終えてからの実務的なものをあーだこーだと伝える。

Sさんに対して、私と同列の連中の中には「アイツは生意気やから受験を承認せん方がいいと思わへん?」と訊いてくる人間もいるが、内心「おまえがいない方が事務仕事は捗る」と思いつつ「一人頭の仕事減るからいいんちゃいます?」と濁している。

そんな事をしてるうちに朝5時。
年寄り連中は風呂だ風呂だと行動しだしている。

朝食後マッタリしていると、前日から食べすぎたのか猛烈な便意が。
ホテルから08:45の船に乗ると聞いていた。
08:25頃からトイレに籠り、流すと詰まって便器の水位が上昇、冷や汗出るほど大盛りウ〇コを済ませ、08:40頃フロントの辺りへ。

誰もいない...........

キョロキョロ挙動不審に電話掛けようとしていると「皆さん、08:30の船で出発しましたよ」とスタッフが...........
幹事に電話すると「大体揃ったか思って前の船に乗ったわ」と.........

何と薄情な..........

私だけ遅れてないのに遅れた形でバスに乗り込むと
「まぁまぁ怒らずに」とMさんがミカンを剥いてくれるが、これはこれで不気味。
(シコッた直後の手で剥いてんちゃうか?.....)が頭をよぎる。

とりあえず那智の滝へ。
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ここは以前ツーリングで行こうかどうかで私の隼は天に召されたため、行ってみたかった所。
この辺り一帯、何年か前の洪水被害のせいか、更地と石垣のように連なったデカい岩石が目立つ。

駐車場から滝のふもとまでは、石の階段を100mほど下れば到着で、以前よりは近くまで車で行けるようになったらしい。
が、階段と聞いた年寄り連中の1/3は、バスで待機すると。

そこからこんな所やらを何ヵ所か周り帰路へ。
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和歌山..........

大阪の隣という事もあって距離的にはたいして遠くないものの、相変わらず熊野辺りは狭い一般道一本しかなく、時間が掛かる。

帰りはKのせいで終始睡眠したまま帰宅。

主要メンバーはもう高齢なため、年々「入院してる」や「亡くなった」という事で、参加メンバーは若い人間と入れ替わっている流れの中、私にとっては右も左もわからない頃に世話になった人達。
長生きしてほしいものである。
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COMMENTS

unknown
2013/11/09 (Sat) 10:25

Re

心筋梗塞って.........
かなり危険じゃないですか...........
看護師に欲情できるぐらい回復には向かってはるようで安心しましたが、こういうのは峠を越えると金の事を考えてしまいますよね。
住宅ローンもペイなら、ハチロクは趣味の車に、クラウンごときではなくセルシオにしてしまいましょう。

マザファッカー
2013/11/07 (Thu) 09:25

私も今高齢者に囲まれております。病室で…
11月2日に心筋梗塞やっちまいまして、医者も驚く回復力ながら退院はまだ先になりそうです。
エロそうな看護師を見ては頭の中で犯しまくってるんですが、やっぱり場所が場所ってことでチンコまで血液が送られていない状況です…
それでも助かると金の話を思い出し住宅ローンもチャラになるのが確定してる今【86なんてケチくさいこと言わずにクラウンにしときゃ良かったー!】などと頭抱えております。

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