大阪はマンボウからの緊急事態宣言で、また自粛状態になりましたが皆様お変わりはないでしょうか?
まぁタクシー業界は煽り直撃な感じです。
先々月、勤めていた法人で世話になり、私が退職して個タクになってからも付き合いのあるジイさん2人とメシに。
2人ともうちの親より年上なのでジイさんでいいと思います。
そのうちの1人が去年の年末に大腸がんの手術をすると聞きましたが
このご時世、直接見舞いには行けないので、もう1人に見舞い金を立て替えてもらっていました。
手術は成功し見舞いのお礼の電話があり、またメシ行こうやと言ってましたが、前回の緊急事態宣言が出たりで延び延びになってようやく。
今の法人の状況を聞くと、それはもう最悪。
タクシー会社というのは..................
・固定給タイプがA型賃金
・歩合給タイプがB型賃金
・会社が月トータルの1日当たりの平均売上を「足切り金額」として設定し、それを超えると固定給(基本給)が発生し、超えた分は歩合給として加算されるタイプのAB型賃金・営業車は持ち帰り、看板だけ貸して例えば「月に50万円は会社に納金すれば働き方は自由」みたいな個タクもどきのような形態殆どがこのどれか、固定給は関東にそんな会社がある以外は聞いた事がありません。
会社が足切り金額を1日2万円と設定した場合、2万円以上は例えば43%を歩合給として加算、2万円未満18000円までは完全歩合給
18000円未満は都道府県の最低賃金といった具合に段階的になっています。
なので、売上が10円足りないだけで給料が数万円変わったりする場合があり、自分でメーター回して自腹切る
「いれちゃ」というのがよくあります。
「頑張りようがないわぁ、お前と一緒でワシらずっと最賃や」.........そう。
法人時代は個タクの申請する1年前からはほぼ最賃。
車動かせば事故と違反の確率は上がるので、極力働かないモードに。
運転を生業としながら5年間無事故無違反というのはなかなか難しく、14R売却したのもこれが理由でかなり腹括りました。
今現在、自分が所属している個タクの組合の話を聞くと、権利を譲渡する人間が殆んどおらず、試験に受かっても相手が見つかるまで
2年待ちだと。
2年というと試験の合格効力が2年なので、再試験が必要になる上、再試験から更に認可が下りるまで無事故無違反を通さないといけません。
こういった話を聞くと、さっさと個タクになるため動いてよかったと思います。
さて、最賃になると所長から営業指導みたいなものがありましたが
「はーい、次は頑張りまーす」を毎月毎月。
運転手の中には何故か指導を恐がる人間もいましたが
「コイツ馬鹿じゃねぇの?指導でパワハラ発言引き出せば、それを脅しにボーナスタイムだろうが」と思って、会社側の人間と話す時はレコーダーは必須。
コロナ関係ない頃は最賃であろうが図太くやれば問題ありませんでしたが、今は頑張っても最低賃金が当たり前。
2人のジイさんの1人は元会社経営者で、息子に会社継がせて引退したものの、社長時代の金銭感覚ではダメだと余生はタクシー会社へ。
もう1人は一部上場企業を定年退職した後、奥さんが亡くなり、一人で家にいてもボケるわとタクシー会社へ。
元々の年金の掛け額が多いので
「先月、手取り7万円やったわ、ワッハッハー」と、給料がいくらであろうが問題無い様子。
タクシーというのは、基本こういった年金併用でゆとりのある人がやる仕事で、年金も無い現役世代で続けているのは.........
・隔日勤務という勤務形態で、明け休みの日にする副業が順調
・別業種の自営をしていて、ほぼ奥さんに任せられる
・奥さんの稼ぎがいい
・実家が金持ちといった感じで、どれにも当てはまらないならしがみつく理由もなく、別の仕事してると思います。
タチが悪いのは、過去、自営をやっていてマトモに年金掛けてこなかったジイさん運転手。
80歳前後になっても乗り続けていたりしますが、とにかく血眼になって走り回ります。
表示灯を
「予約」にして向かってる途中で、遠くで手を上げる人を見つけても
「ゴメンね、予約なんよ」と思っていると
対向から来てこちらがブレーキ踏むタイミングでUターン。
勝ち誇った顔されますが、なんと言うか......数百円の為に残り僅かな寿命を削る姿に憐れみすら覚えます。
そして大抵は行き先が近かったのか、ルームミラーに映る顔は不機嫌そのもの。
まぁ、命削って事故違反のリスクも顧みず必死に乗せたところで、会社に半分以上持っていかれるとなるとそんな顔にもなるのかと思いますが...........
愛想良くして気分悪くなられる変人は知ったこっちゃありませんが、自分もお客さんも気分良く過ごせて
加えてその程度の労力が次のお金に繋がる可能性もあるので、仏頂面運転手は客商売に向いてないと思います。
そんなこんなで今の自分の仕事はというと、去年の夏から自分で持ってるお客さんからの依頼のみ。
表示灯も常に「予約」表示で、途中客を乗せる事もありません。
「近くなんですが、次は妻も一緒で荷物もあるので、空港まで迎えをお願いできませんか?」迎えに行き、高速乗って30分、高校野球好きな奥さんとあーだこーだ話しながら到着、8000円ちょい。
毎回、乗れば2万円以上なのでその人からすれば近距離かもしれませんが、こちらとしてはじゅうぶんです。
「今回は近くですいません、また遠くの時は必ず連絡させてもらうので、次回もよろしくお願いします」とご夫婦のお客さん。
「今月は売上どうですか?」~「2月は日数少ないし祝日も多くて良くないですよ」
「じゃあ次は関空からのチケット取りますわ」と、いつもより4倍はメーター回る空港からの便をわざわざ取ってくれるお客さん。
「どうせお金遣うなら、いつも良くしてくれる人に遣いたいですよ」と、毎回8000円前後で1万円置いていくお客さん。
メーター4万円ほどで
「遠くまで無理言ってごめんやで、チケット5万で書いといて」と、信用してくれてるのか毎回白紙のチケット置いていくお客さん。
個タクとお客さんの関係というのは、会社対会社のビジネスの関係よりも砕けていると思います。
車を買い替えて足回りをイジりたいけどどんなのがいいのか?
カメラを始めたいけど初心者はどんなものがいいのか?
仕事の依頼とは関係無いLINEのやり取りも多々ありますが、タイムラインにはブログよりももっと直接的な表現で書いているので
こちらの嗜好を見て
「この事なら訊いてみよう」といった感じなのか、仕事以外のやり取りも楽しいものです。
タクシーなんてただの移動手段の一つで、安全迅速に目的地に到着すればよく代わりはいくらでもいる中、わざわざ呼んでもらえるというのは、ありがたいことです。
今の状況では流しでガンガン走り回っても車を消耗させるだけだと思っているので
平日朝夕固定の同級生送迎の合間や後に、1つ2つ依頼が入る形がちょうどいい感じです。
パワハラやサビ残、休日出勤で心身共にヘトヘトになって年収1000万より、自分のペースで楽しく働いて年収700万円の方が長続きするのと似ている気がします。
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