最近の仕事..................
自分の仕事の方は特に変わらず
「予約やってないんで」と新規依頼を断る中でも
稀に
「こちらに極力都合のいい条件」の人がいれば受けるといった感じです。
「こちらに極力都合のいい」というのは、出発地点から最低でも5000円の場所へ行き、1時間以内で再度出発地点まで戻るお客さん。
片道1万円だったとしても帰りの高速代は自腹になりますが、往復の場合は高速代はお客さん持ち。
少し待つだけで帰路分も出してもらえるのはありがたいものです。
基本、労働意欲など皆無なので
「働きたくない」を突き詰めていけば、弟に対するように
「兄上様の車に乗りたいなら1回5万や、社長の器を見せんかい」が理想ですが、そうも上手くいくはずもなく、ムダなアイドリングや走行せずに済む
「依頼」がベターで、その中でも
「往復依頼」がベストかと思っています。
(法人運転手はあまり「実車率」を考えないと思いますが、消耗品全て持ち出しになる個人は、1日300km走った内の100kmが実車より、150kmが実車の方が同じ経費掛けても利益が大きくなるので割と意識します)そんな形で進めていく中、1日丸々空く日があったり、朝と夜に依頼があって昼間空いてる時には止まり木にしている乗り場へ。
そこは有料乗り場なので入ってる車は同じ車ばかり。
個タクというのは大体が固定客を持っているものなので、
おっちゃん同士では
「最近見ぃへんかったけど、ええ仕事してたん?」みたいな挨拶から、インボイス等の税金や制度の変更等の話になっていきますが..................
そこへ
「遠い客乗せたで!」とニッコニコで割り込んでくる、とある法人運転手。
15000円ぐらいで、ナニ言ってんだ?コイツ.....と、皆微妙な顔しながらも
「スゴいな!羨ましいわー」と。
そしてこの運転手..................
自分が8年いたA社の時に同じ営業所だった運転手。
当時は1年に数回乗り逃げされたり事故ったり、月に数回苦情がきたりで、過剰に売上に執着するくせに、自らの落ち度で稼働時間減らす残念なオッサン。
こちらは当番制で、その日出勤してる運転手全員分の日報をチェックしてPCに入力、入金機との金額を精査して夜間金庫に投函準備という流れでやっていましたが、彼が事故ったと連絡入っては対応に行かされ、締めの作業が明け方になる事も..................
「ヘタクソがいい加減にしろよ」と、よく思っていましたが、同僚らはより辛辣で
「あれ、脳の病気でしょ」の意味なスラングをあだ名に..................
自分はA社では、運転手&運行管理者&組合役員という、自分もハンドル握ってる以上は事故や違反の可能性もある中、事故惹起者やキップ切られた運転手の指導で会社から管理者手当をもらいつつ、運転手が何かやらかして賞罰委員会となれば庇う立場の組合役員手当ももらう、板挟みどころか箱詰め感覚..................
5年目ぐらいから会社の内情が見えてくると、A社での出世に魅力を感じなくなり個タクを考え始めていましたが、ある時アホな取締役が
「運転手がちゃんと仕事してるか、抜き打ちで車内カメラの映像を確認しなさい」と。
もう受験資格発生までの年数消化中でヤル気もない上、下手に内勤になると
「運転手として10年」がクリアできないため
「やってられるかボケ、今日で辞めるわ」で退職。
タクの仕事なんて会社変わろうがやる事は同じなので、すぐにB社へ。
事故対応や苦情処理に行かされる事もなく、自分の事だけ考えてりゃいいというのは清々しい気分でした。
その頃から頭悪いオッサンは
「俺は個タクになる」と、自分より先に組合に登録したほど鼻息荒かったのですが、A社というのは結構規律にうるさく、タイヤもサイドウォールの傷が原因のパンクは事故扱いになるほど細かい会社。
当然、欠勤出せば即解雇。
B社は典型的な
「大阪のタクシー会社」で、たばこ吸いながら運転していても出勤停止等の処分になる事もなく
「あかんぞー」と言われるだけ。
たまたま苦情の電話を取った取締役が
「ガタガタ抜かすなら事務所こんかい!」でガチャ切りするような会社。
部品交換にならない車体の傷などラッカースプレー吹くだけで事故扱いにもならず。
個タクになるために入ったので、無事故無違反を通すためできる限り車に乗らないよう、2年いた内の1年分ほどは、欠勤届けに
「私用のため」と書いていましたがクビにもならず。
頭悪いオッサンにも
「こっちは気楽よ」と言ってあげましたが、何故か
「俺は会社を裏切る事はできへん!」などと意味不明な供述を..................
この彼、売上を伸ばす為に、会社を信用して呼んでくれる無線のお客さんを取り込もうと画策。
(法人タクシー用語で「握り」といい、かなり同僚から嫌われます)けど、挙動不審な様子からお客さんに断られるているのに、それは会社や同僚への裏切りにはならんと..................
自分の場合、会社というものは個タクへの年数消化に在籍してるだけだと公言していましたが、独立してから
「どないしてんの?」と電話も鳴らず、元同僚に後ろ指さされるのは寂しいもんだと考えていたので、彼の考え方は全く理解できず..................
独立時の客の取り込みなどよく聞く話ですが、ゼロからやっていったるわぐらいは思っていたので、法人の時にお客さんから頼まれてもお断りでした。
そして月日は流れ、自分はB社から個タクに。
A社、B社の運転手とは以降もフツーに立ち話をしたり、特にA社では色々やっていたので、労務に関する事や事故に遭った後どうするのがいいのか等の相談をされるような関係でしたが、頭悪いオッサンと顔合わせた際
「お疲れー」と言うと何故か無視..................
なんだコイツ?と思っていましたが..................
「奴は俺が個タクになろうとしてるのを言いふらしてる。
俺が個タクになったら自分の客を取られるから、なられへんように、俺の敵だらけのA社の人間に足引っ張らせようとしてる」
アイツ、こんなん言うてましたけど、シャブでもやってんですかね?とA社の運転手が教えてくれました。
「握り」かまして会社の顧客取り込もうとし、同僚の売上掠めるような真似するから敵を作ってるのに..................
(彼の挙動不審な接客と未熟な運転技術を嫌がったお客さんが、別の運転手に「〇〇さんからこんなん言われたんやけど、あの人はちょっとねぇ.....」と話して発覚が殆ど)そもそも個タクに進む事に対して、会社によっては運転手を減らしたくないからと、違法ですが在籍証明を出さないとか、あからさまに無線を外されたりの嫌がらせを受ける話はよく聞きますが、A社はどちらかというと個タクを考えている運転手には好意的でした。
在職中に不利益を被らないようギリギリまで隠す必要もなく、どちらかというと意思表示した方が会社も協力してくれますが、会社にも同僚にも
「アイツに個タクは無理やろ」と囁かれる中、本人だけが
「バレたら足引っ張られる」と勘違いしてコソコソしている状況。
(隠したところで、個タクの組合へ紹介した個タク運転手が「アイツ、うちに登録しよったで」とあちこちに話すので、誰もが知る話になってしまいます)それ以前に、元々が一人親方の自営業。
法人運転手に興味持ったところで利になる要素は全く無いので、仲良くしてる運転手以外で顔は見た事あるぐらいの関係なら、会釈程度はしても関心がありません。
「自分の客を取られるから~」のくだりもアホかと..................
「〇〇まで□□円で行ってくれるならまた使ったるよ」みたいな、値段交渉してくるような一見さんは100%お断りです。
(厳密には、旅客車輌の運賃というのは国に申請して認可を受けるものなので「いかなる理由があろうと割戻し(割引)は認めない」と明文化されており、それに対して割引を求めるのは強要罪か何かに抵触する事にもなるので、逆に足元見られかねません)自分のは大阪では一番高い料金設定で、割引設定も一切無し。
個タクのじいさんから
「値段で選ばへんお客さんは大事にせなあかんで」と言われた事がありますが、安いタクなどいくらでも走ってる中、わざわざ高い自分の車を呼んでくれるからには、多少飛行機の到着が遅れても、予定している会議や商談の時間には必ず間に合わせ、聞いてた依頼時間がお客さんの都合で早まってもいいように早めに待機。
お客さんの業界の事や家族の状況、食べ物の嗜好や趣味等、広く浅くどの話でも「へー」で終わらず返せるようにはしているつもりです。
「個人になったら客を持ち放題やで」と、その彼は簡単に言ってましたが、継続するには結構気ぃ遣ってんだよと。
たまには
「申し訳ありません、トラブルがあって行けなくなりました」といった「当日キャンセル」もありますが
「キャンセル料は〇円になります」ではなく
「承知致しました、大変な時にご連絡ありがとうございます、また次回、よろしくお願いします」と返しておけば、実際は車止めて準備した分はムダになりますが、長い目で見ると..................
「この前ごめんね、チケット、1万円多く書いといて下さいね」のように、結果マイナス分を軽く補えるプラスになったりするものです。
そして去年11月に個タクの法令&地理試験が。
個タクの試験は年3回あり、3月と7月は直近5年を無事故無違反だった運転手用の地理試験免除の法令試験のみ、11月は直近3年を無事故無違反だった運転手用の法令試験と地理試験で、5年無事故無違反でない場合は受験のチャンスは年1回となります。
彼は4年前から勉強し
「余裕や」と語っていたため、個タクの組合でも営業権の譲渡譲受契約の相手を探し始めていましたが、結果は不合格。
(彼は自分と同じ組合に登録してました.........)譲渡譲受の相手が見つかっていた場合、譲渡人の認可取り消しや譲受人の不合格等、双方どちらかの原因で契約不履行となると、相手方への迷惑料は一律30万円ですが、ここは相手が見つかってなかったのでセーフ。
個タクの認可を受ける為の申請書類というのは、申請書はA4の用紙1枚ですが、それに添付する書類はA4用紙で1cmほどの厚みになるほど多く、期限もあるので組合の事務員さんらは見切り発車で作成していきます。
なので、試験に不合格だったり事故や違反をすると申請はできなくなるので、事務方には多大な迷惑かける事に。
「アイツ、やっぱりアホやったんやな」と皆に知れ渡りながら、それからも変わらず個タクの運転手の立ち話の輪へ積極参加..................
「おまえの申請書類作ってくれてた事務員の給料払ってんのは俺らやぞ」という視線を感じる事もなく、その光景は、嘆きの壁の前で黄金聖闘士勢揃いの中
「ライオネットボンバー!」な青銅聖闘士が混ざってるように見えました。
それから約1年。
また今月試験がありますが、A社の時に同僚だった若いコも受けると聞いていたので、たまたま会った時
「試験受けるんやろ?頑張りや」と言うと
「ありがとうございます!あっ、そういえば聞きました?」.........例の頭悪い運転手が
「信号無視で捕まった」と。
それも、そのエリア走る車なら一般車でも「黄色で止まれ」な、白バイかパトカーがほぼ常駐の主要幹線道路のダブル信号..................
(地元の人にはわかるように言うと、中央環状線西向きモノレール柴原駅のところ)これで向こう最短3年間、無事故無違反を継続しないと受験資格が発生しません。
「無事故」というのは、過失が1%でも発生する人身事故の事ですが、信号無視のバイクが突っ込んできてバイク側がケガしてもアウト。
単独で電柱に突っ込み、自分がケガしてもアウト。
詳しい事までわかりませんが、認可受けた後の更新監査での
「交通違反」は免許証の点数のように1年単位でリセットではなく
「3年間で累積4点以上の違反したら、次の更新は1年、1年更新が4回続けば認可取消し」ぐらい厳しいので、事故に関しても一般車輌の事故よりも厳しく見られる可能性があります。
なので個タクになるためには試験や資金、住環境より、運転手として仕事しながら
「無事故無違反」をクリアしないといけないのが一番難易度高いところです。
正直、ここまで醜態晒せば誰も知らない土地で新たな生活を始めようと思うぐらい恥ずかしいと思いますが、以前よりは死んだ魚のような目をしつつ、まだ彼は乗り場に。
この辺りは鋼のメンタルというのか、周りの微妙な反応を感じない鈍感さというのか..................
邪悪な自分なので
「試験どうやった?」と、無邪気に訊いて傷口抉ってやろうかとも思いましたが、逆上どころか泣かれてしまいそうで..................
彼を見るたび、昆虫を見るかのような視線で見てしまう今日この頃です。
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