親父の初彼岸を迎え、汁江から
「おじちゃんに送りたい物と花があるから、〇日の夕方には家にいなさい」と連絡が。
普段
「そんな話し方されたらゾワッとするやんけ」とややアチラ側の人間のようですが、こと親戚間の話になると
「仁」という意味そのままの生き方に、何とも表現し難い気持ちになります。
従兄弟の嫁が息子をネグレクトから離婚、従兄弟が息子を引取り途方に暮れていれば、とにかく息子に不憫な思いをさせたくないと一緒に暮らし育て、途中で息子から「お母さんになってほしい」と言われ入籍。
息子が独り立ちと同時に離婚し
「自分は子供が産めないから、子育てを経験させてくれた事に感謝してる」と。
その従兄弟の兄が糖尿病から片足切断になった際、知らん顔の親に代わって治療費全額工面。
そして11年ほど前、汁江が実家に行くと母親F子の様子がおかしく、問い詰めた結果、F子や親父の姉であるI子が、精神疾患持ちの孫から凄惨な虐待を受け、殺されるか自殺寸前だと連絡が入ったと。
それを聞いた汁江は、I子には姪っ子として小さい頃から可愛がってもらったから放っておけないと。
I子は大阪に住んでいたので、宮崎にいる汁江は警察に通報するぐらいしかできず
「どうしたらいいのか?」となった時に頼ったのがうちの親父。
同じ大阪にいながら親父も姉がそんな事になっているとは知らず、けど、引き取るにも、ちょうど持病のあるオカンが原チャで救急救命センターに運ばれるような事故に遭い治療中でてんやわんやな時。
自分は親父とは絶縁状態の時だったので親戚関係の出来事は全く知らず。
これら重なって
「すまんな、うちはこんな事情で姉さん引き取られへん」汁江は
「そんなつもりで言ったんじゃない、私が宮崎で引き取って看取るまで必ず面倒みるから、大阪で必要な手続きでわからん事があったら教えてほしい」と。
I子を引き取った当初は、国保も無しお金も無しの状態で、I子自身姉弟が多かったので、姉弟全員の
「うちでは見られない」の書類に捺印が必要だったりで、生活保護の申請も困難を極め、アパートから家具家電の手配まで汁江がやったと。
そこからI子が他界するまでの8年.........
「おじちゃん、もうどうしていいかわからん」と泣きながら親父に電話したりも多々あったようですが、都度、親父が宥め、解決方法を考えたりで、他の親戚らには
「おまえに最後まで見れるんか?」とキツい事を言われたりする中、ずっと支えになってくれたと。
他界して大阪にあるI子の旦那の眠る墓へ納骨しようとするも、ちょうどコロナ全盛期で
「今は大阪に来ない方がいい」と親父に言われ、遺骨だけ送り
「またコロナが落ち着いたら大阪行って、おじちゃんにお礼したい」それから3年..................
親父が危篤になって初めて宮崎の叔母らに連絡。
それまでは
「こんな情けない姿を見られたくないから、姉さんらには言うな」と親父から言われていましたが、悩んだ末、姉弟が亡くなってから報せを聞くのは酷な事だと思いました。
駆け付けた当日はまだ意識があり
「汁江、姉さんの事ありがとうな」と。
その翌日、宮崎に帰る途中で面会に来た時にはもう意識も無く、明けて親父他界。
これを汁江は今だに後悔しています。
「あれだけしてもらったのに、私は何も返せてない、また会えると簡単に考えて電話もしてなかった」と、約30年ぶりに再会して4ヵ月ほど経った今でも、毎回号泣..................
「おじちゃんに返せなかった分は、せめてこれからおばちゃんに返していきたい」かと思えば、7年使っているスマホが、度々不具合出てるので
「いい加減、壊れる前に機種変しときや」と何度も言いましたが
「私の勘ではまだ大丈夫」と聞く耳持たず。
ある日、とうとう通話中に完全フリーズして操作不能に。
「やっべぇ、兄ちゃんに怒られる」と思ったものの「とりあえずウ〇コして考えよう」結果、なぜか冷蔵庫にスマホ入れたと。
けど、それで復活したという、アホなのか頭冴えてるのかわからない事が多いのですが..................
深刻な場面においては自分の身や財産を削ってでも、誰かのために逡巡する事なく行動に移せて、途中かなり大変だったのは想像に易いとは思いますが、それを
「私がしたかったからしただけ」とサラっと言える面は、誰よりも信頼できるところです。
そして今回の宮崎行き。
汁江からの
「会いたい会いたい会いたい会いたい」の呪詛じみた圧力もありましたが、汁江両親、自分から見れば叔父叔母にゆっくり会いたいなというところも。
親父の事があって、汁江からの話を聞く中
「いつか会いたい、いつか何かしてあげたいの「いつか」は思った時。その「いつか」が来なくなったら後悔だけが残る」と思うようになりました。
そんなこんなで、汁江から母親に
「〇日に兄ちゃん来るって」と話をしてから、何か実家がザワついていると..................
汁江が実家へ行くと、父親がグッタリしていたらしく
「ちゅんちゅん丸が来るから、窓を全部掃除した」と。
母親はテンション高いようで、毎日のように晩メシの話や掃除したり
「今日はちゅん君が寝る布団のシーツ買いに行ってきたわ」やらで、汁江は呆れ気味..................
汁江弟夫婦も顔見に行くといった感じで、予想外の大ごとになってるような。
さてその晩メシ。
汁江は旦那に
「兄ちゃん来た日は晩ごはんどうする?(おまえ来んなよ)」と一応訊いたところ
「行かない」と。
ここで汁江の本心抜きにして
「自分の嫁が体調崩してる時に、従兄弟が気に掛けて色んな物を送ってくれたりしたら、フツー、旦那ならお礼の電話ぐらいするよね。
嫉妬しかしてないところが小っせえ男でホント恥ずかしい」とよく聞いていました。
まぁ、親戚同士の当たり前の挨拶もできないところは
「何だコイツ?」と思うところはありましたが、汁江母から直接旦那に電話があって
「メシ食べに来い」で、顔合わせる事に。
「兄ちゃんは俺とは住む世界が違うから.........」と言ってたと聞いて、これまでの無礼は納得。
同い年ながら、天上人の自分が地獄の餓鬼に挨拶するわけないでしょ?って感じで下に見られているかと。
もう
「現在の中国の経済情勢を鑑みて、台湾侵攻はどう思われます?」とか、自分でも「知らんがな」と思うような事を、さも教養があるフリして旦那レベルまでブーストして捨て身の反撃する必要があるのか?
等々、あれこれ考えていると、フェリー料金の振込み期限が過ぎていて、慌てて連絡し事なきを得たところです。
今日日、旅費とか郵便局まで行って振込みとかクソ面倒くさいのは止めて、ネット上でカード決済にしてくれよと。
何かと思惑入り混じる展開になるかとは思いますが、それはそれで楽しみたいと思います。
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